谷河ヤチヨ文庫展を開催しています

 

102歳まで独居を続けられ、源氏物語、読書、短歌をこよなく愛し、104歳で逝去されるまで歌を詠み続けた、長与町在住の故 谷河ヤチヨ様の蔵書、短歌、写真を展示しています。
没後、ご遺族様より蔵書を寄贈いただき「谷河八千代文庫」として展示してきましたが、8年を経て終了する運びとなりました。最後に谷河ヤチヨ様の短歌を楽しんでいただける企画となっています。
102歳で刊行した歌集「夏の鶯」より約30首の瑞々しい短歌を選出しました。
今年は大河ドラマ「光る君へ」で空前の平安時代ブームです。また、若い世代を中心に現代短歌が流行しています。
企画展示をお楽しみください。

【開催期間】
日時:令和6年 6月24日㊊~ 7月20日㊏
   10:00~12:00 / 15:00~17:30
会場:ホーム・ホスピス中尾クリニック待合室
​※水曜・土曜は午前のみの開催
※日曜・祝日はお休みです


 

‣谷河ヤチヨ(八千代)さん

明治44年生まれ。熊本県立山鹿高等女学校卒業。外務省機密文書室や王子製紙外国部などにタイピストとして勤務。1974年に夫と死別、姉夫婦の勧めにより短歌を始める。満100歳にて第一歌集「茉莉花」を刊行。102歳にて第二歌集「夏の鶯」を刊行。2016年104歳にて逝去。


 

‣開催に寄せて

このたび谷河ヤチヨ文庫展を開催する運びとなりました。
故 谷河ヤチヨさんと当院の出会いは2012年(平成24年)のことです。お独り住まいのご自宅にはたくさんの本と短歌集が並び、机には源氏物語の資料、作りかけの短歌が広がっていたことを思い出します。それから4年間にわたり、関わらせていただくこととなりました。102歳で刊行した歌集「夏の鶯」は1981年から2014年までに歌われた瑞々しい短歌が収録され、「往診のドクター待つ間の徒然にクロスワードパズル一つ仕上がる」(青南p154)など日常を写し取った作品が発表されました。谷河さんは源氏物語を読み解く「古典の集い」に長年参加され、文学に親しみ、読書家でもありました。
没後、谷河さんの座右の銘を冠した歌文集「一生勉強、一生青春」が作成されました。当院では、ご遺族様より蔵書を寄贈いただき「谷河八千代文庫」として2016年より展示してきました。「古典の集い」のご友人など多くの方に楽しんでいただき、新たな交流も生まれました。展示開始から8年を迎え、谷河様を偲び、文庫を楽しまれた方々も高齢となりました。多くの出会いを当院に運んでくださったことに感謝しながら、文庫スペースを終了させていただくことといたしました。
今回の展示は、終了前にみなさまに谷河ヤチヨさんの蔵書、短歌を楽しんでいただける企画となっています。今年は大河ドラマ「光る君へ」で空前の平安時代ブームです。また、若い世代を中心に現代短歌が流行しています。谷河さんが今ここにいらっしゃったら、どれだけ日々を楽しまれたことだろうと想像しています。
企画展示をお楽しみください。